2013年9月14日土曜日

山種美術館

先日の出張の際、合間を縫って訪れてみた。そもそもその存在を知ったきっかけは三島由紀夫の「金閣寺」を読んだこと。何?という向きもあろうが、読了後新潮文庫のカバー装画をあらためて眺めてみたときに、そのあまりのフィット感に感激し、カバー裏をみると”速水御舟 「炎舞」 部分 山種美術館蔵”とあった。これを調べないでおられようか。実はもう一つきっかけがあって、そう、金閣寺読了約3カ月ほど前になるか、某お宝モノテレビ番組でなんとなく速水の名前を耳にしていたこともあった。この時この「炎舞」を意識して見ていたかどうかは定かではない。おそらく、やはり三島の文章と速水の絵のイメージがぴったり当てはまったことも記憶を脳底から引きずり出すきっかけになったんだと思う。早速山種美術館をググってみると、ありました。ほう、広尾にあるんだね。そして良く見ると、おやおや8月から速水御舟展が開催されるではないか!なんという幸運!アクセスをみるとJR恵美須駅から徒歩10分。なる、これなら上京の際になんとか狙える。そして、虎視眈眈チャンスをうかがい、ようやく訪問に至ったわけである。詳細の記録は割愛するが、展示には御舟のほかに菱田春草、横山大観、安田靭彦などそうそうたる日本画家の作品も含まれていた。時間が限られていたので、まずは「炎舞」を拝見させてもらった。絵は予想より小ぶりだったが、その吸い込まれるような炎の舞と静かな羽音が聞こえてきそうな蛾の妖艶さが見事にマッチしており、確かにこりゃ重文の価値ありと納得した。しかし、御舟は40歳で急逝している。未完の作品には新たな画法への挑戦が垣間見られ、その早世が惜しまれる。



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