2014年1月12日日曜日

迷い犬騒動

これはさすがに書きとめておかなくてはならんだろう。新年も明けてまだ間もない1月2日夕方、我が家の一員であるティンク(トイ・プードル、♀7歳)が行方不明になった。我々が預け先のペットショップから連絡を受けたのが2日の22時半。家内が金切り声をあげて入浴を済ませたばかりで脱衣所にいる私のところへ駆け込んできた。「ティンちゃんがいなくなった!」すでに涙声である。一点の迷いもない。1分で出動準備をして車に乗り込み3人で出発した。要点はこうである。実は夕方16時過ぎにすでに事案は発生していた。何者か(最近矢上地区で駐車中の車のドアを開放して回る不審人物がいるという情報を後日聞いたが定かではない)がショップの二重扉をあけっぱなしにしたため4-5匹の犬が店外にでてしまった。その時点で店員は気付いていない。犬を見た近所の人が教えてくれてはじめて認識したようである。ほどなくしてほとんどの犬が確保されたのであるが、一番遠方にいたティンクが置き去りにされた。のちに聞くと、名前を呼び掛けたけどそのまま角を曲がって消えてしまったとのこと。しかし、その時点で最大級の捜索態勢を投入すべきであるのだが、残念ながらそれは叶っていない。おそらくそのうち帰ってくるだろうと高をくくっていたことが予想される。それ故、我々への最初の連絡が事案発生後5時間以上過ぎてからになったのであろう。リスクマネージメントの感覚が完全に欠落している。我々は二手に分かれて午前3時ごろまで捜索するも発見できず。おそらく暗く気温も下がり一か所にじっとしているか誰かに確保されたか、あるいは想像もしたくなかったけど車にやられたかのいずれかであろう。その時点で捜索は一時打ち切った。翌日家内と娘はポスターを作って関連施設に掲示をお願いし、近辺に在住の知り合いという知り合いに情報提供をお願いして回った。しかしさらに捜索を続けるも情報すらなし。最後の目撃情報は昨日16時半ごろの矢上郵便局付近というものだけであった。残念ながらその日も日が暮れた。この日私は島原勤務で22時半終了後いてもたってもおられず、帰りに矢上周辺を車で1時間余り捜索するもやはり不発であった。ティンクにとっては2回目の夜である。寒かろう怖かろう、ひもじかろう。胸が締め付けられる思いである。家族皆元気が出ない。家内と娘は落ち込みまくっている。かける言葉もなかなか見つからない。自分もこんなに寝付けない夜は実に久しぶりである。明けて再び捜査開始するにあたり、落ち着いて対策を確認した。警察署には初日に届出している。正月で閉じている市の動物管理センターにはこの日の朝からメールを送付した。ツイッターでもつぶやいた。いろいろ考えると、どうしてもショップ側の対応が不十分過ぎると思わざるをえない。なにせ社長は1回も顔を出さないのである。別店舗の立ち上げで多忙ということが理由らしいが、いかがなものか。一方親族・友人からいろんな助言もあり、探偵を雇うことに決した。とりあえず電話して状況を聴くとやはり我々の対応は不十分過ぎるとのこと。ただ、小型犬の死骸の確認報告はないことから体力的に半径500m~1kにおそらくいるはずとの探偵のコメント。これは本格的にお願いするしかないと思ったその直後であった、矢上の動物病院からティンクらしき犬を保護したとの連絡あり。とりあえず妻と娘が確認に向かった(私はその日もあろうことか勤務。ソフト面で後方支援に徹していた)。するとそこにいたのは紛れもない、われらのティンクであった!生きていてくれた!それにまあまあ元気である。失踪より約40時間後の保護であった。話によると、正月も4日となり、なんとなく畑の草刈りでもしようとやってきたおじさんの耳に草むらの向こうから「わん!!」という声が飛び込んできた。おやおや犬がいるのかい、と覗いてみると、畑の向こう側にある約1メートルの高さの溝の中、それも雑草の生い茂るかなり奥に茶色い犬がいるではないか!おじさんは近くに住む夫婦が飼っている犬かと思い、その夫婦に連絡、おやつで誘ってなんとか保護していただいた。どうやらよそ様の犬だよ、洋服着てるし首輪なんかきれいだし、きっと飼い主さん心配しまくってますよ、との判断。なんと理解があり心温かい方々であろうか。水とおやつを与えていただき、先の動物病院に連れて行ったところ迷い犬の捜索願が出ていることからティンクと判明したのであった。とにかく助かった。生きていてくれた。胸のつかえがとれるとはこのことであると確信した。後日、発見された現場を確認させてもらったところ、かなり山の上であり、半径500メートルどころか2,3キロあった。うずくまっていた場所も人目に付く可能性はほぼゼロ。本当に偶然に草刈りに来ていただかなければ、またその時ティンクが吠えなければ、見つかることは決してなかったと思う。ほぼ奇跡である。あらためて保護していただいた皆さん、心配していただいた皆さん、いろいろと助言をいただいたり相談に乗っていただいた皆さんとそしてティンクの生命力に感謝である。

発見場所(畑)の遠景。当時はまだ草刈り前で草ぼうぼう。

畑の切れ目のさらに奥。↑の写真でいうと右上奥にあたる。この下1メートルほどにある溝の中にうずくまっていた。

発見・保護後シャンプー、カットしてもらい帰宅した本人。まだどことなく元気がない。

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