2カ月振りくらいに高良山に登った。5月に登るのはさらに久し振りであろう。3月下旬から4月半ばの桜とツツジの開花でのひとしきりの賑やかさが一段落して落ち着きを取り戻した感がある。早朝だったので少し肌寒いくらいであったが、概ねいつものペースで登りきれたので何とか心肺機能は維持できているようだ。高良大社でいつものように参拝して展望台に向かった。筑後川沿いに広がる筑紫平野の風景が目に飛び込んでくる。まだ少しだけ早いが麦秋の感である。川向うは佐賀背振山麓方面から久留米がわは特に北野から田主丸方面にかけての筑後川沿いに黄緑色から一部黄色の麦畑が広がっている。5月中旬から6月ごろになると刈り入れが始まり、そのうち麦穂を燃やす煙があちこちで立ち上がる情景を見ることが出来る。私の好きな高良山からの眺めの一つである。高良大社を後にして下る道沿いの足元に小さめの白い花がたくさん落ちているのに気づいて上を見上げると、息をのんだ。まさに無数の白い花が満開である。なぜ登る時気づかなかったのか不思議であるが、おそらく桜に比べると花が小さめで、葉の下にやや隠れるようにして咲いているせいだろうか。しかしじっくり見ると見事である。さすがにすぐに調べてみたところ、どうやらエゴノキというらしい。詳細は割愛するが、昔から身近な落葉小高木のようである。気掛けてみると道沿いのあちこちに満開に近い木が見受けられる。5月は新緑の季節でどちらかというと緑の勢いに圧倒されてこういった清楚な花は見過ごされるのかもしれない。今日認識することが出来て良かったと思う。その他にも低木の白い花でセッコウボク、ノイバラも見つけることが出来た。日頃の喧騒とコロナストレスを少しだけ和らげることが出来た。
2021年5月2日日曜日
麦秋
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