とうとう満を持して岩屋食堂に行ってきました。12月とはいえ好天でさほど気温も低くなく、ちゃんぽん食すにはちょうど良い日和である。前日に長崎訪問時の昼食はどうしようかと思案していたところ、ふと、岩屋食堂のことが頭に浮かんだ。さすがにもうやってないであろうと、Google Mapから検索かけてみると、どうやら営業はしているらしい。とにかくダメもとで行ってみようということで、実家には10時半ごろ到着し、とりあえずの作業を終えたところでいざ、訪問である。当然近場なので徒歩である。
途中帰宅中の高校生(もちろん、工業高生)数人とすれ違った。さて、店の前に到着したのだが、営業中の看板は出ていない。のれんは緑色でそんなに色あせていないが、右側半分がめくれ上がっている。不安半分で扉を開けてみると、すぐ中に70歳過ぎとおぼしきおじさんがいて、”いいですか”と尋ねると”どうぞ、どうぞ”の返事。どうやら営業しているようだ、よかった。中にはすでに1人のお客さんがいてびっくり。厨房には同じく70歳過ぎくらいのおばさんも。店内は見た目通り狭く、テーブル2つと4人程度座れるくらいのカウンターのみ。日焼けしたマンガの単行本や瀬戸物の灰皿、灯油ストーブ、テーブルの上の年季の入った調味料の瓶などなど。店内の時間は昭和で止まっている。すぐにじいさんが温かいお茶を持ってきてくれたので、迷うことなくちゃんぽんを注文した。そして待つこと約10分弱くらいかな、みどりの印象が強めの予想通りの長崎食堂チャンポンの登場。野菜は多め。具材にはちゃんと赤いはんぺん蒲鉾とシーフードとしてイカもしっかり入っている。味は濃ゆからず薄からず辛すぎず。つまり絶妙に良い、旨い。一気に完食した。
650円也、93点つけましょう。食べ終わるとおばちゃんが、”どちらからですか”と話しかけてきたので概略素性を打ち明けた。数十年来気になっていたが今回初めて訪問出来てとてもうれしく思っていることを素直にお伝えした。おばちゃんもうれしそうであった。現在のご夫婦で営業するようになって約30年。その前に前の経営者が20年くらいやってたそうなので、この地で営業50年はくだらないだろう。高校生はあまりこないとのこと。もしかしてと思って福山雅治がきた事無いんですかと聞こうかと思ったのだが、なんとなくこの店にそぐわない質問のような気がして尋ねなかった。支払いを済ませ、何とか続けてもらいたいと願いながら店を後にした。